殺し屋

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「質問してるのは私の方だ。 早く答えた方が身のためだぞ」 男は左腕を素早く振り払い、盗賊の亡骸を小石のように軽々と廃墟の外に投げ捨てた。 「お、おい…… こいつ例の殺し屋じゃねぇか」 「や、やべぇぞ」 「とっととずらかろう」 先程とは一変し、怯えだした盗賊達は後退りした。 全員でかかっても勝ち目がないと判断したらしい。 その時だ 「あら、どこへ行くの?」 !! 盗賊達の背後から不意に女の声がした。 振り向くとそこには細身の紅い鎧を纏った長い黒髪の女剣士がいた。 その背中には巨大な太刀を背負っている。 「もう一人いやがった」 「所詮は女だ」 勝てるとふんだ盗賊達は束になって女剣士に斬りかかった。 それを見たローブの男はやれやれとため息。 次の瞬間、女剣士の抜刀と同時に盗賊達は血しぶきをあげながら真っ二つの肉塊になった。 残った盗賊は二人だけ。 二人はしばらく顔を見合せポカンとしていたが、すぐに我に返ると窓の方に駆け出した。 しかし 「ぐぎゃっ……」 「残念でした」 窓の外にはサングラスを掛けた黒い服の男がおり、手に装着してある恐ろしい鉄爪で盗賊の喉元を貫いていた。
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