殺し屋

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場所は変わり、革命勢力のアジト。 「誰だテメェは? ぶっ殺されてぇのかおい!」 裏町の隅にある廃墟の中でフード付きの黒いローブを羽織った一人の男が複数の盗賊に囲まれていた。 盗賊の数は20人程で全員が凶器を手にしている。 「……ザキはいるか?」 絶対絶命の状況にも関わらず、ローブの男は落ち着き払った声でそう尋ねた。 フードを深く被っているため顔までは見えないが、妙に余裕のある立ち振舞いだ。 「あ? 自分の置かれた立場理解してんのか?」 「……もう一度聞く、ザキはいるか?」 この状況にも関わらずかなり強気な態度だ。 「こいつ、なめてやがるぜ」 これにカチンときた一人の盗賊が剣を振り上げて男に襲いかかった。 次の瞬間 グザァッ…… 「がぁぁぁぁ!」 裏町に悲痛の叫びが響き渡った。 「…………」 盗賊達は我が目を疑っていた。 「立場を理解してないのはどっちかな?」 男は生きていた。 それどころか、左腕の突きで盗賊の腹を貫いていたのだ。 素手にしては殺傷能力がありすぎる。 よく見ると、盗賊の背中から貫通した手は人間のものではなかった。 漆黒の体毛で被われ、刃物のように鋭い鉤爪が生えている。 「な、何者だテメェ。 人間じゃねぇな」
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