プロローグ 闇

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カタカタ・・カタカタ カチカチッ 室内に、不規則なキーボートとマウスを叩く音が響く。 部屋の照明は薄暗く、窓には常にカーテンがかかっているため、ただでさえ暗い部屋にさらに陰気を感じる。 室内には大量のデスクに埋め尽くされ、そのひとつひとつにパソコンが設置されたいる。 だが、その多くは埃が被っており、主が長い間いないことが分かる。 そしてごく少数のデスクに、数人の女性が、それぞれの席についていた。 彼女達の顔を、ディスプレイの光が妖しく照らす。 彼女達は皆、色白で整った顔立ちをしている。 皆、かなりの美人だが、少し気になる服装をしていた。 揃いもそろって真っ黒な服を着ている。 様々な服装をしているものの、喪服のような黒服なのだ。 「はぁ・・・」 その中に一人、ため息を吐く少女がいた。 漆黒のショートヘアで、紫暗の瞳は吸い込まれそうなほど深く、少し吊り気味の目が勝気な印象を与える。 かなりの美貌を放つ彼女だが、今は眉を寄せていた。
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