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私…はなびは朝からドキドキしていた。
パーティーにみんな来てくれるかな~。いや、必ず着てくれるはずや。
…素をさらけ出しても温かい眼差しを向けてくれるかな~。うん、みんなきっと良い人のはず!
ハイヒールで何とか身長を人並みにして、慣れない正装を着ている。
と、その時。
『ビヨンセ~』
スカートの中から、声がした。
変態っ!?
恐る恐る引っ張り出してみると、何とネズミ。
喋ってんの。
『ハッハナシテ~』
尻尾をつかむとジタバタ暴れるけど、全く、屁の突っ張りにもなっていない。
いっとき、緊張も忘れてニヤニヤと和む。
「かわええなぁ~、あんた、名前は?」
人攫いのおっちゃんさながらである。
『オシエナイ!オマエナンカニ!』
いたって強気な、ネズミ。
こいつは…いじられキャラやなぁ、可哀想に。
「ふ~ん、まぁいいや、チュー太って呼ぶから」
『ナッ…?!』
「とりあえず、ここね」
私はチュー太を胸に付けたコサージュの上にポンと乗っけた。
『マテ~、ヘンナナマエツケルナ!』
大広間ではすでにパーティーが始まっている。
予想以上にたくさんのお客様がいるようだ。
私はワクワクしながら、会場に足を踏み入れた。
『チョット、オロセ!』
…かわええ。
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