Case01-Ⅰ≫桐谷 輪子(キリヤ ワコ)

2/15
前へ
/22ページ
次へ
. 話し込んでいた相手が少し、席を離れて。 ふと、視線を感じて振り向くと。 話に入ろうともせず、興味なさそうに気ままに呑んでいた筈の相手が、いつの間にかこちらを見ている。 一瞬、自分だけが映り込む深い瞳にどきり、として。 『何?』 首を傾げてみせれば、普段の無表情のまま。 『……“独り”なの?』 聞いていないようで聞いていたらしい。 『そう、“独り”。 寂しいでしょ?』 .
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加