久しぶりの登校

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私の心配を余所に、ミィは元気に帰宅した。 「お母さん!あのね?凄かったんだよ!」 着替えを済ませたミィが、身を乗り出し目を輝かせて喋り出した。 「何が凄かったの?」 聞き返すと 「あのね?男子がね?廊下でいつもみたいに私に意地悪を言ったの。そしたら、○○ちゃんと●●ちゃんが、私と男子の間に立って、凄い怖い顔で睨み付けたの!でね?でね?あんたら!人数集めないと女子1人にも勝てんのん?ミィちゃん虐めたら、ぶん殴るよ!って怒鳴ったの!カッコ良かったぁ~!」と、一気に喋り切ると、私を見つめてニヤニヤ笑う。 余程嬉しかったのだろう。 ミィの友達……あの子達は私に言った通り、ミィの壁になってミィを守ろうとしてくれてる。 親の私が弱気になんてなっていられない。 私はこの歳になって恥ずかしい事に、自分の子供と同じ歳の、あの子達に教えてもらった。 ミィを守る壁。 私も壁の一部になろう。あの子達が築いてくれようとしている、ミィの為の壁。強く!頑丈で簡単には崩れない!そんな大きな広い壁にしよう……! そんな想いでニヤリッ……ミィに笑い返した。
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