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ミィの涙と笑顔
ちょっと脱線。
子供からお母さん、私虐められてます。と聞かされた時、親がどう感じるか。それを話す時、子供がどんなに不安で心細く惨めか。その立場に立った人にしかわからないと思う。
子供を育てている人。親になりたいと思っている人。誰かを虐めている人、虐められてる人。それぞれの心の片隅に、こんな事書いてる奴が居たなぁって、小さな魚の骨みたいに引っ掛かってくれたらいいな。そんな気持ちで書き始めた。素人なので、文章が脱線して読みづらいかも知れないけど……
本文→
ミィの様子を見て黙って居られず、私はミィに聞いた。「ねぇ?ミィ、何か有ったんやろ。あんた、もしかして虐められてるん?」ミィが息を飲んで固まった。暫く沈黙が続いた後、しゃくり上げる息遣いだけが部屋に響いた。
「ミィ?ちゃんと話してくれんと、お母さんはミィと一緒に戦ってやる事も、守ってやる事も出来んのよ?」……沈黙……鳴咽。「ミィが悪くて虐められてるんか?それとも自分は悪くない!ってお母さんに胸張って言えるんか?今はそれだけで良いから、ちゃんと本当の事を聞かせてくれんかな?学校なんか行きたくないなら行かんくて良い。けどね?理由も聞かず休め!とも、お母さんは言えんよ?」「……私は何もしてない。悪くない。」小さく絞り出す様な声。だけど、はっきりとミィは私の目を見つめて言った。
私もミィの目を見つめて、言葉を続けた。「よし!わかった。ミィ?お母さんね?確かに余所のお母さんみたいにミィのお母さんだけしてやる事は出来ん。お婆ちゃんの介護も有るし、家事もある。余所ん家みたいにお父さんもおらんから、仕事もせんといけんし、忙しくて、ミィがお母さんに心配かけたくない!って1人で何とかしようと思った気持ちは良くわかってる。でもね?どんだけ忙しくてもミィのお母さんなんよ?ミィを守りたいし、ミィを悲しませる為に産んだんでも、我慢させる為に産んだんでもない。理由も無く誰かにミィが傷付けられて、お母さんは知らんかった……なんて言いたくない。明日から少しずつで良いから何が有ったか話してくれる?」ミィが頷いて、私を見つめる。「どうしたん?」「信じてくれるん?」「当たり前やろ?」ホッとしたように、その日初めての満面の笑顔でミィが笑った。瞼は腫れて痛々しい。まだあどけなさの残る10歳のミィ。でも戦いは始まったばかり。
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