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学校からはこれと言った進展の連絡も無いままだった。
私はミィから、毎日少しずつ話を聞き出しながら、記録を残す事にした。
状況をきちんと頭に入れておきたかったから。
毎日、学校帰りにお友達が顔を出してくれ、ミィも少しずつ落ち着いて行った。
不登校が1ヶ月を過ぎようとしていた。
ある日、玄関のチャイムが鳴り、ドアを開くと、ミィの友達の1人が顔を覗かせた。
「おばちゃん、こんにちは。今日はおばちゃんにお願いがあって来ました」その子が言った。
「外で話す?ここで良い?」と聞くと外で話したいと言うので、近くの公園へ向かった。
「おばちゃん、あのね……私、前の学校で虐められて、転入して来たんだよ」
正直、この子が?と驚いた。
人から嫌われる様な子には見えない。
「本当は転校したく無かった。悪い事してないのに逃げたみたいで嫌だった。でも、この学校に来てミィちゃんが1番に話し掛けてくれて、沢山お友達ができて嬉しかった。前の学校ではもう誰も話し掛けてくれなかったから……」
「そうだったんだ?頑張ったね。ミィも新しいお友達ができたって喜んでたよ」
「ねぇ?おばちゃん!ミィちゃんは学校に来れる様になるよね?私みたいに転校とかしないよね?他の友達とも相談して、ミィちゃんが安心して学校に来れる様にするから……転校させないで!」
ミィには転校の話も少ししていた。
最悪の場合、転校しても良いんだよ?と逃げ場を作ってやるつもりで私から伝えたんだ。
ミィは絶対に嫌だと応えた。大事なお友達が居るから。皆で卒業したいから。私は悪い事してないから。
ミィはそう言った。
その事を伝えると、その子は安心した様に帰って行った。
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