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「おーい?リオン。早く来ないと先に食べちまうぞ?」 階段の下から兄貴の声が聞こえる。 もう下に降りたのかよっ。 「ちょっとまて…」 俺は急いでいつも着ているパーカーを手に取ろうとしたとき、ふと思い出して、その隣にかけてある服を手に取った。 えりに一本線が入っている白いシャツと黒っぽい青のブレザーの胸には校章が描かれている。そして赤いネクタイをつけてカバンを持ち、どたどたと階段を降りた。そして、兄貴が座っている正面に座った。 「遅いぞ」 「しゃあないだろ?慣れていない制服なんて来たんだから」 そう、制服。俺は今年から新入生として王立ヴォールハイト魔法高等学園に通うこととなった。 今日は青春の始まりの式といっても過言じゃない式 ―――――――入学式だ。
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