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「おっ、もう来たのか」
俺は口にパンをくわえながら玄関の扉まで小走りで行った。
…ガチャッ
「おはようー、今日はいつもより早かったな。ランセ」
「なんとなく、だ」
ランセは無口な奴だけど、とっても良い奴。俺の大親友だ。ランセの綺麗な顔を俺はじっと見る。あー女子がほっとかないっていう顔ってこんなんなんだろうなぁ。ふとランセの髪を見ると、
「………ん!?どしたその頭はっ!」
ランセの髪型が少し…いや大分短くなっていた。前は腰くらいあった後ろ髪が肩位になっていた。
「あぁ、兄貴にとうとう切られた。暑苦しいってことで」
ランセは未振り手ふりで説明する。
「あー、やりそうだな。あの人は」
俺は苦笑した。
「後ろだけか?前髪はそんままだし」
「あぁ、なんとか死守した」
ブイッとランセはブイサインすり。
「あはは。ランセまぁ中に入れよ」
俺はランセを中に招き入れた。
「兄貴ー、ランセ来た」
「おっ、ランセか。おはよう」
「おはようございます…」
俺達は席に着き、
「はい、ランセの朝ごはん。どーせ食って無いんだろ?」
ランセは小さくうなずくと黙々と食べ始める。
ランセがふと何かに気付いて、
「…カインさん学校は?」
ランセはカインもとい兄貴に聞いた。
兄貴は時計を見て
「そろそろ行かないとな」
兄貴はそういうと立ち上がり、
「お前らの入学式は10時30分からだから間違えんなよ」
と、俺らに釘を刺して「いってきます」
そういって出ていった。
そのあと食べ終わり、二人で思い思いでランセはソファーで寝始め、俺は読書をし始めた。
◇◆◇◆◇◆
…ゴーンゴーン♪
時計が鳴る。
10:00
「えっ、もうこんな時間?」
「…ヤバイ、リオン。入学式遅れる」
「急げっ!」
俺らは急いで準備をして家をすぐに飛び出した。
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