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俺はふと、髪に触れ
『…その髪は…戻らぬのか…』
と尋ねた。彼女の髪は白銀のまま黒には戻らなかった…
『…わかりません。おかしい…ですか…』
『…いや。綺麗だ…藍色の髪飾りが良く映える…』
『気付いていらしたんですか』
『…あぁ』
彼女は嬉しいそうに、微笑み俺の髪に触れた…
『斎藤さんと同じ色…いつも一緒に居る様に…』
少し顔を赤くして彼女が話す…
『きっと彼女は、これを付けていた日から俺を思っていたのだろう…』そう心の中で呟いた…
『…千春、愛している。』
彼女の口にそっと唇を、重ねた…
『…私も、愛しています。一さん』
彼女も微笑み返してくれた。
屯所に戻り、副長が俺達を呼んだ…
『斎藤…千春…今回ばかりは、近藤さんとの話しで、お咎めは無しにする。斎藤は今まで通り任務に付け』
『…御意』
『千春は、今まで通り斎藤の手伝いをしてやれ。だが、髪が目立つ幹部には話しをするが、平隊士には忌み嫌う奴がいるかも知れんので話しはしない、悪いが出掛ける時、屯所内を歩く時は髪を隠してくれるか?』
『分かりました、頑張ってみます』
『ありがとうよ。少し生活しずらくなるが我慢してくれ』
そう言うと、副長は立ち上がりその場を後にした…。
俺達は、新たに歩み始めた…
お互いの気持ちに嘘偽りの無い様に…。
END
Next…あとがき
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