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二人に散々殴られた俺がうなだれてると、金髪野郎が俺の髪を掴み、顔を覗き込んできた。
「おい須本。後悔してるか? 格好つけて中坊かばうから悪いんだよ。元々お前に恨みはねぇ。謝って俺らのパシリになるなら、許してやるぜ?」
「…………」
喋ろうとするが、口の中が切れてて声が出せない。「あ?」金髪が俺の口元に耳を近付けてくる。
「……片桐に謝れよクズ……」
「テメェ!!」
今度は聴こえたらしい。
金髪が顔を真っ赤にして大振りのパンチを繰り出してくる。
俺は、これを待っていた。
まずは後ろにいる奴の顔面に、後頭部で思いっきり頭突きをかます。
耳元で「ぐぁっ」っといううめき声が聴こえた。
それから腰を落として腕を振りほどき、素早くターンしてソイツと身体を入れ換えた。
金髪野郎のパンチは、さっきまで俺の顔面があった場所を通過し、俺を捕まえてた奴の顔面にヒットした。
俺はすかさずその不幸な奴に背後から組み付き、スリーパーホールドで締め上げる。
「ヒャッハー!!」身体中の血が沸き踊る、懐かしい感覚。
そいつは空気を掴むように両手をバタつかせ、やがて俺の腕の中で、オチた。
まさに電光石火。俺の一瞬の早業に、不良どもが状況を飲み込めず唖然とする。
「テ……テメー! やり過ぎだろ!!」
「白目むいてるじゃねーか!!」
ざわつく不良ども。
俺は静かに口を開く。
「おいおい……気絶させただけだろ? こんぐれぇで焦んなよ」
そして、ニヤリと笑う。
「テメーらには、もっとサービスしてやっから……」
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