第二章

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Qが上衣を脱ぎ捨てた 途端 黴臭い臭気が辺りに漂い 思わず袖口で鼻孔を覆った あれほど 生き生きとしていた 背中の突起物は見る陰も なく萎んでしまい 一連の瘡蓋の様になって 黒ずんでいた そして 替わってQ自身の肉体は 肉が付き血色も良く 健康を取り戻しつつ ある様だった 「…回復したのか 良かったじゃない か」 と言い終わるのを 待たないで Qは自身の頭を わしわしと掻き毟り 教授への恨み言を 喚き始めた
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