序章

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「患者が目立ちだしたのは ここ2、3年の間ですが… じつは 戦前から三日月湾付近の村落を中心に 知られていたです… ただその頃は 皮膚疾患ではなく 憑きモノとされていたわけですな」 「憑きモノと言うと キツネとか」 「左様 左様」 教授は頷きながら 時々 物差しを背中に入れて ばりばりと引っ掻いた… 取り出した後 くんくんと嗅ぐのが気になったので 話の続きを促した 「そういった村では どういった治療をしていたんでしょうか?」
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