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あと、僕の名字は神無木と書いて『かみなぎ』と読むんだ。『かんなぎ』じゃないんだよ馬鹿野郎。
質問された千鶴先生は、可愛らしく「う~ん」と唸っていたが、僕にチラッと目を向けて。
「言っちゃっていい~?」
なんてことを言ってくる。
だから、一々疑わしい態度を取らないでくれ。
「先生と啓くんは従兄弟なんですよ~」
瞬間響き渡る絶叫。
僕と千鶴が血縁なのがそんなにおかしいか?
まぁ興味無い。
「先生、そんなことよりホームルームを進めてください。僕も真面目に話を聞きますから」
このままだと、クラスの奴らから根掘り葉掘り様々な質問が飛んできそうだ。
僕はそれを避けるべく、先手を打ってそのルートを潰しておく。
ゲーム機を鞄に突っ込んだ僕を見た千鶴先生は満足そうに笑い、頭を撫でてきた。
止めてくれ!
男子からの視線が痛いから!
「あはっ! 啓くんはいい子だね~」
「いいから! 早く教卓に行って下さい」
くそ。千鶴先生の天然は僕にとっての鬼門なのかもしれない。
楽にゲームが出来るかもと思ったが、それは甘かったのかも。
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