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ゆっくりと立ち上がり、スタスタと教卓へと向かう。
男子からは小馬鹿にしたような笑い声。
女子からは引き気味な雰囲気が放たれる。
慣れたもので、僕は全く気にもしない。
若干、晃だけが不機嫌な表情を浮かべていたが。
「……神無木啓介です。特に言うこともないですが――」
ここで、僕は満面の笑みを浮かべてみせる。
視線は晃へと向け、滅茶苦茶爽やかな笑顔を作り上げる。
そして先刻の晃の今年の目標に対しての返事を送ろう。殺意を込めて。
「今年の目標はとある友人から僕の世界を守ることです。更に望むならその友人をどうにかして地球上の二酸化炭素の減少に貢献したいと考えています。出来ればデ○ノート的な物が超欲しいです」
「それ俺を殺す気満々じゃねぇか馬鹿野郎!?」
「うっさい誰もお前の事とは言ってない。え、自意識過剰なの?」
「だからお前の友人とか俺の知る限り俺だけだろうが!」
「そうか。なら二酸化炭素を減らす為に今すぐどうにかなればいいと思うよ?」
「爽やかな笑顔でなんてことを言うんだよ……」
「はいはい~。啓くんと晃くんは仲良しですね。啓くんはもっと素直になりましょう~」
なんて言葉で締めくくる千鶴先生。
僕とすれば晃を言い負かしたから非常に満足だ。
それに従って席へと戻った。
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