放送室は占拠しました。

42/42
前へ
/246ページ
次へ
その夜。 案の定、僕は千鶴姉に泣かれながら怒られた。 流石に無視することも出来ず、しっかりと怒られる。 怒り疲れた千鶴姉がソファで寝てしまったから、僕は漸く彼女から解放された。 風邪を引かないように、千鶴姉に毛布を被せて自室に戻る。 寝る前に携帯を確認すると、一件のメールが届いていた。 知らないアドレス、僕は誰からのメールかすぐに理解した。 内容は――。 『啓ちゃん! 私のアドレスと番号、登録しといてね! またメール……ううん、電話もしようね!』 そんな感じ。 言うまでもなく、花村からのメールだった。 僕は少し苦笑い。 噂が広がる前よりも、僕達の距離は近付いてしまっていた。 それがおかしかった。 だから僕は少しだけ意地悪をする事にしたんだ。 だってそうだろ? これじゃ花村のペースに乗せられてるみたいじゃないか。 返信の内容は、 『分かった。僕は土日、基本的に電源を入れないから、よろしくな』 これでいいだろう。 僕は携帯の電源を切り、ベッドに飛び込んだ。 さて、明日からは引きこもり放題だ。 そうだな、取り敢えず……。 「ギャルゲーでもするか」 こうして、僕は日常を取り戻す。 謹慎最終日、あんな事件が起こることなんて……今の僕には関係ないだろう? †
/246ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4305人が本棚に入れています
本棚に追加