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その夜。
案の定、僕は千鶴姉に泣かれながら怒られた。
流石に無視することも出来ず、しっかりと怒られる。
怒り疲れた千鶴姉がソファで寝てしまったから、僕は漸く彼女から解放された。
風邪を引かないように、千鶴姉に毛布を被せて自室に戻る。
寝る前に携帯を確認すると、一件のメールが届いていた。
知らないアドレス、僕は誰からのメールかすぐに理解した。
内容は――。
『啓ちゃん! 私のアドレスと番号、登録しといてね!
またメール……ううん、電話もしようね!』
そんな感じ。
言うまでもなく、花村からのメールだった。
僕は少し苦笑い。
噂が広がる前よりも、僕達の距離は近付いてしまっていた。
それがおかしかった。
だから僕は少しだけ意地悪をする事にしたんだ。
だってそうだろ?
これじゃ花村のペースに乗せられてるみたいじゃないか。
返信の内容は、
『分かった。僕は土日、基本的に電源を入れないから、よろしくな』
これでいいだろう。
僕は携帯の電源を切り、ベッドに飛び込んだ。
さて、明日からは引きこもり放題だ。
そうだな、取り敢えず……。
「ギャルゲーでもするか」
こうして、僕は日常を取り戻す。
謹慎最終日、あんな事件が起こることなんて……今の僕には関係ないだろう?
†
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