親友の為に

7/33
前へ
/246ページ
次へ
当然、うちの乱入によってクラス内は大騒ぎや。 だってうち、有名人やし。 次期報道部部長の筆頭候補やし。 つまり、うちを敵に回す奴はいてないし。 そんなうち、いや素晴らしいうちがクラスに現れたんやから、そうなるわなぁ! 「あれ? 玉乃井さんじゃん。どうしたの?」 「ん、あぁ東雲くん。あんたに用があるんやけどさ、くん付けで呼ぶの面倒やから呼び捨てでかまんかな?」 「ん、いいけど」 おぉ、さすがは学園内でも注目を浴びとるだけはあるな。 爽やかな笑顔がキラキラしとる。 呼び捨ての許可も得たし、本題に入るかな。 「ほんなら晃――」 ガタンっ。 ん? 妙な音が聞こえたな。 晃を呼んだ途端に聞こえた物音の方へと顔を向けたら……。 「いきなり名前……」 そんな感じの言葉を小さく呟く女が居った。 確か、桂木 舞やったか。 ははぁん……あの女、晃に惚れとるな。 美男美女とかお似合いやん! あかん、脱線したわ。 「啓介に用事があるんやけど」 「あいつに? 啓介、謹慎だから来てないけど」 「知っとる知っとる。やけん啓介の家を知りたいんや。晃なら知っとるやろ?」 ガタタンっ。 「玉乃井さん……啓ちゃんに何か用事?」 「あん?」 晃に質問したと同時に席を立った花村 香澄がうちと晃の元へと歩み寄る。 笑顔で話しかけてはきとるけど――目ぇ笑ってないやん。 「大したことやないし、花村さんは気にせんでかまんよ? 関係も無いし」 「ふふっ。関係あるよ? 私も東雲くんに啓ちゃんの家を教えて貰おうとしてたんだから」
/246ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4305人が本棚に入れています
本棚に追加