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「だけど、それと東雲くんがどう関係してるの?」
「ん~……約束したんだよ、あいつと」
恥ずかしい話、俺は啓介との約束を何回も破っている。
ほとんど大した約束じゃないんだけど、約束を破ったことに変わりはない。
「約束?」
「ああ。あいつさ、結構複雑な過去を持っててさ……俺は当然知らなくて、初めて話した時に啓介を傷つけちゃったんだよね」
啓介は謝罪する俺に対して、
「気にしてない」
と返すばかりだったけど……やっぱり、何だか辛かった。
それから何度も謝罪して、何度も会話した。
知らぬ間に俺は啓介を名前で呼び始めて、啓介も俺を名前で呼ぶようになって、何時の間にか……俺達は『友達』になっていた。
確認を取ったわけじゃない。
だけど、俺は友達だと思っていたんだ。
その内、啓介は昔のことを俺に話してくれた。
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