親友の為に

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「えっと……はい、東雲先生」 おっと……。 どうやら桂木もテンパっているらしい。 彼女らしくない切り返しだ。 「はい、桂木さん」 取り敢えずノリを合わす。 実は教師になりたいから、ちょっとこのノリは嬉しい。 「先生は、過去に色々あって絶望を抱いている神無木に……何を思ってギャルゲーを薦めてみたんですか?」 「それはね、リアルに興味示さない啓介があまりに面白くなくてね、じゃあ二次元なら興味示すんじゃね的な思惑があったからです」 もっと単純に言うなら、何らかのときめきを与えたかった。 本当はリアルで新しい彼女を作らせたかったんだけど、それはいくら頑張っても無理だったんだよなぁ……。 桂木の様子を見てみると、彼女は頭を抱え、しきりに唸っていた。 うん。 だよなぁ……俺も出来るならばそうしたいよ。 「えっと……馬鹿先生」 「はい、桂木さ――ん!? 今俺のこと馬鹿先生って呼んだ!? 自覚はしてるけど流石に傷つくよ!」 「あ、ごめん」 しれっと謝られた! 言い訳しないのは立派だけどフォローが欲しいです! 「それより、えっと……ギャルゲーを薦めてみた結果、神無木はどうなったんですか?」 話を進められた。 フォローも無かった。 あれ……なんか悲しい!
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