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単純に。
「気まずいんだよな」
そう呟いたところで、何かが変わるわけではない。
無意味なことはしたくない。
どうせなら、もっと有意義な――。
「そうだ。僕の世界にいる彼女達に会いに行こう」
そうと決まれば行動だ。
時間は無限ではない。
どうせなら、最近学園で彼女達に会えていない分を取り返す勢いで世界に浸ろう。
僕は携帯ゲーム機を起動。
進んでいなかった『恋歌』の世界へと向かった。
……取り敢えず、後輩キャラと新聞部キャラはパスだな。
リアルでの知人に似ているとかやってられない。
と、意気込んで僕の世界へと飛び込んだ途端。
ピンポーン。
そんな無粋な音が聞こえた。
……取り敢えず無視した。
ピンポーン。
無視し――。
ピンポーンピンポピンポピンポーン!
「やかましぃわぁっ!!」
流石に無視出来なかった。
誰も居ないのか!?
我が家には誰も居ないのか!?
いや、正確には我が家じゃないがな!
「千鶴姉は仕事。叔母さんも仕事……叔父さんも仕事。誰も居ないじゃないか」
冷静になれば当然、僕以外は誰も出ることは出来ないじゃないか。
僕は仕方なしに、玄関へと向かった。
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