親友の為に

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幸せな筈なんてないんだ。 自分の好きな人が自分を好きと言ってくれて。 それなのにそれを断って。 好きな人を泣かせて。 そんなことが、幸せであってはならない。 本当の幸せは、こんな今の筈がないんだ。 だって僕は、この先の幸せを知っている。 美月さんとの日々。 夕凪市で過ごした時。 好きな人と、結ばれていた幸せを。 忘れたい。 大切な、大切な思い出。 忘れたいのに、いつまでもいつまでも心に残る、幸せの記憶だ。
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