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「おいおい……」
僕は溜め息を吐き出して、改めて現状に目を配った。
部屋の中には何故か、晃、桂木、花村、玉乃井の姿がある。
な ん で だ よ !
僕はリアルから離脱したはずだろうが!
それが何がどうなったらこんな理解不能な状況になるんだよ!?
「いやいや、啓介。それについてはちゃんと説明しただろ?」
「お前はナチュラルに僕の心を読むな。いくら主人公とはいえそんな能力はチート過ぎるからな」
「神無木、顔に出てたよ?」
「そうそう。舞の言う通り」
黙ってろよバカップル。
「バカップルとか……照れるぜ」
「死ね! 完璧に心読んでるじゃないかよ!」
全く会話が進まない。
よって、バカップルは放って置いて、僕が現状を説明してやろう。
はっきり言って、思い出すことすら不快なんだがな……。
因みに。
今、僕の部屋で行われているのは期末テストへ向けての勉強会である。
勿論、発案者は僕ではない。
仮に僕だったとしても、我が家に招くとかは有り得ないからな。
発案者は僕の親友である晃という名の愚者だ。
デスノートとかあれば、僕はきっと真っ先にこいつの名前を書くだろうよ。
事の発端は、とある週末まで時を遡る必要があるな――。
†
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