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「勉強会をします」
梅雨の名残のあるジメジメした暑い日に、僕の席の前に座っていた晃がそう口を開いた。
何でわざわざ僕に言う?
勝手にしてろよ、僕は別にリア充同士の助け合いに興味はない。
というより、リア充の勉強会ってさ……どうせ勉強しないだろ。
勉強会というのは口実で、ただ単にキャッキャッウフフしたいだけだろ。
そんな糞イベント、僕には関係無い。
だが、何だか晃の物言いが引っ掛かる。
まるで僕が参加することが決定しているかのようだ。
看過することが出来ない。
「晃。僕は参加しない。というか、お前は僕のお陰で幸せを……まぁ桂木という彼女が出来たんだろう? 僕に構わず桂木とイチャイチャしてろ」
「まぁまぁ……確かに舞は啓介の言う通り綺麗で可愛くて気配りの出来る最高の彼女だが」
「そこまでは言ってないからな。都合のいいように解釈するな」
「そんな彼女が出来て幸せな俺が、啓介にしてやれることは何だろう? そんなことを最近よく考えるんだ……」
「うん。まずは僕の話を聞け?」
僕を空気扱いしてるんじゃないよ。
不愉快過ぎる。
それより、何だか嫌な予感がするのは僕だけだろうか?
いや、僕しかいないか。
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