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『それに、何だか女の人の声がいっぱいですね? あはっ! 人の告白を無視しておいてその仕打ちですか? ふふ、何だか私、悲しみを通り越して殺意が……』
「ははっ。ちょっと待ってろ、進藤」
僕は冷や汗を流しながら、勉強中のリア充共へと向き直る。
「お前ら、もっと真面目に勉強したらどうだ? ほら、勉強中に笑い声が出るとかおかしいだろ?」
「啓ちゃん、勉強してないじゃない」
「そうやで! 勉強すらしてないあんたには言われとうないわ~」
「舞、ここは?」
「もう~晃、私に聞いてばっかりじゃん~仕方ないなぁ」
「だってさ、舞の教え方よく理解出来るんだよ」
「ん、いいよ! どこ?」
僕の願いを聞いたリア充共の返事はそんな感じ。
うん。
味方が誰もいない。
まぁまぁ。
それは最初から何となくは分かってたよ。
それよりも――!
「おいバカップル。今すぐ帰れ。お前達はお前達だけで勉強会すればいいだろうが!」
「何だよ、啓介~僻むなよ」
「誰が僻むか! イチャイチャして鬱陶しいんだよ!」
晃は後で殺す。
「だって……二人きりだったら恥ずかしい」
「まぁ……な」
桂木は顔を真っ赤にしてそう呟き、それに釣られて晃も顔を赤くさせた。
うざすぎる。
「どれだけ免疫が無いんだよ……付き合って結構経つだろ? 何だよそのウブさは!? 僕は泣きそうだよ!」
『啓介先輩?』
うぅっ!?
『早く迎えに来て下さい』
嫌ぁぁぁ!
本気で泣きそうになった。
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