オタク、リア充を目指す!?

3/24
前へ
/246ページ
次へ
ツンデレがデレデレになるのも間近だな。 『ちゃ、ちゃんと約束の時間までに来なさいよ! 遅れたりしたら許さないだか――』 「せめてイヤホンしてプレイしろっ!」 ツンデレな小雪の声を遮って、そんな無粋な声がした。 ついでに後頭部を叩かれた。 更に小雪を奪われて、あろうことかその命までもが奪われた。 んなぁぁああぁあ!! 声にならない絶叫が僕の中に響き渡る。 小雪が……小雪がぁ! 「たく……啓介、いつまでもゲームしてんなよ。もうすぐ始業式だぞ」 「き、きき……」 「き、きき? おいおい、日本語を話せよ啓介」 「貴様ぁぁぁああ!!」 続いて教室内に僕の怒声が響き渡る。 必然的に注目を浴びる僕と小雪を奪った犯人。 犯人は、昔からよく知る顔をしていた。 「ちょっ! 落ち着けよ馬鹿――!」 「お前……よくも、よくも小雪を!」 僕は犯人の首をギリギリと締め上げていく。 待っていろ、小雪! 必ず仇をとる! 犯人の顔が青ざめていく。 もうすぐ、もうすぐだ――! 「離せ馬鹿啓介ぇぇえ!」 ゴンっっっ! という鈍い音が響き、静まり返る教室。 犯人の拳が僕の脳天に突き刺さっていた。 悶絶。 「んなぁぁあ!痛い、痛いぞ!?」 「当たり前だ! 友人を殺しかけるお前にはびっくりだよ!」 犯人は軽く咳込みながらまくし立てた。 こ、こいつ! 先に小雪を奪ったのはそっちだろう! 「お前が、お前が小雪を……」 「たかがゲーム機取り上げただけで殺されかけたのか俺は!?」 真実に驚愕している犯人の名は東雲晃。 僕の友人を名乗る変態だ。 性格もいいし、常識もある。 背は高い方だし、見た目も爽やか。 誰を差別するでもない態度で男女共々から大人気。 …………何このリア充死ねばいいのに。 と、僕は常々思っている。image=395854203.jpg
/246ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4305人が本棚に入れています
本棚に追加