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「お前=主人公にはならないだろ! 啓介とこの主人公はキャラが違いすぎる……!」
「どこが違う?」
「全部だろ!? お前は他人優先なんて有り得ないし、鈍感でもないだろ!?」
「そんなことはない。僕のこの世界でのキャラは説明書通りだ。むしろ主人公が僕の真似をしてるな」
「だったら現実でそのキャラを出してみろよ……きっとこの主人公みたいにモテモテだぞ?」
残念ながら僕の友人は馬鹿だったようだ。
こんなキャラが現実に居たら苛々するだろうに。
「晃、リアルにこんな奴が居れば目障りなだけだぞ。八方美人で鈍感……見てるだけで苛々するだろ?」
「む……確かに」
「現実を考えて発言しろって。馬鹿なのか?」
「お前にだけは言われたくねぇよ!」
「因みに、僕はお前の存在に対しても苛々する時があるんだ。おめでとう」
「マジかよ……友人にそれを言われた俺は何なんだよ」
「お前の故郷のギャルゲの国に帰れば?」
「無いだろそんな国っ!?」
晃が叫び終えたと同時に、始業式を促す放送が流れ出す。
僕は溜め息を吐き出して、仕方なくクラスの連中の波に飲まれていった。
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