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「であるからして――」
体育館の中に響くハゲ(学園長)の声。
何とも眠たくなる声だ……しかも在校生である僕達に、学園の歴史を語る意味はあるのだろうか?
はっきり言ってやる。
意味なんてないよ!
入学式の時に話せばいいよ!
「――こんな話を入学式でしようと思います。どうでしょうか?」
なんっ!?
こいつ入学式スピーチの練習してたのか!?
学園長の衝撃発言に動揺を隠せない僕を置いて、周りから沸き起こる拍手喝采。
学園長はとても満足そうに微笑んで、壇上から去っていく。
何だかとても疲れる始業式となった……。
体育館から出て教室へと向かう途中、学園を見渡してみる。
学園長が自慢したがるのも分かる、僕の通う美都学園はとても大きな学園である。
歴史も古く、由緒ある学園といえるのかもしれない。
まぁ、僕は晃と違って死ぬほど努力して入学したわけではない。
だから、あまり気にはならないのだが……合格発表の時に涙まで流した晃を思い出したら、美都学園は割と憧れの学園なのかもしれない。
だとしても、僕には関係ないのだけど。
「啓介~。何か考え事か?」
「別に。どっかのリア充の友人が爆死すればいいのにってさ」
「滅茶苦茶爽やかな笑顔で死ぬほど不愉快なことを言うなよ!?」
「誰も晃のこととは言ってないだろ? え、自意識過剰なの?」
「お前の友人とか俺の知る限り俺しか居ないからね!?」
暇だったので教室まで晃をからかって遊んだ。
しかし、こいつは何故僕に構うのだろう?
他にも友人が居るだろうに……。
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