誕生

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その後私はベットごと病室に帰りました。その間も意識はほとんどありませんでした。 それから詩織が生まれるまで病院にいてくれた旦那さんが、1度自宅に戻りました。 我が家では3匹の犬を飼っているので、その世話をしにいくためと、その日は旦那さんが病室に泊まることになったので(私が出産した病室は全部屋個室のため旦那だけは出産当日は泊まれるのです。)宿泊の支度をするためです。 その間私の母と旦那さんの両親がお見舞いに来てくれました。 19時頃には意識もはっきりしていたので、少しおしゃべりが出来ました。 20時を回った頃、旦那さんが戻ってきました。 そこで私は初めて旦那さんに詩織の状態を尋ねました。 『口唇口蓋裂』と『左足の内反足』だと言われました。 ショックでした。 『2つも…?こんだけキレイに産まれてくる赤ちゃんが沢山いるのに私たちの赤ちゃんには2つもハンディがあるの…?』 そう思いました。 私は詩織がお腹に宿ったとき、嬉しくて、幸せで、私なりに大切に、食べ物や飲み物にも気をつけて生活していたつもりでした。 夫婦揃ってお酒も煙草もやらないし…。 2つのハンディともに、きちんと調べればそれらとは関係ないようなのですが、その時の私はそう嘆かずにはいられませんでした。 涙も出そうになったけれど、泣きたくはありませんでした。 泣いたら色んな感情が止まらなくなりそうだったし、何より待ちに待った娘が誕生した事を悲しむようなことはしたくなかったのです。 .
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