01.魔導師の卵

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始まりは、母さんの一言だった。 「今年から2人とも、ディオール学園の生徒になるのよ」 夕食を食べていた時のこと、母さんはいきなり、事も無げにサラリと告げた。 本当にいきなりで、アタシは危うくスプーンを落としそうになるくらい衝撃を受けた。 だって常識で考えて、魔導師って言ったら超エリート。 なのにいきなり、その魔導師を育成する学園の生徒、つまり魔導師の卵(ガーディアン)になるなんて言われたら、驚いても無理はない。 …と思ってたんだけど、隣のグレイスはいつも通りだった。 「……試験も受けてないのに入学ってのは、おかしくないか?」 「昨日の夜に手紙が来たの。しかも入学承諾書よ? 貴方達2人は、国から認められたのね」 すごいわぁなんてノンキに言ってる母さんは、本当に色々わかってるのか心配になる。 だって、いきなり入学承諾書って…普通くる? 怪しすぎると隣を見れば、同じことを思ったのか、グレイスと視線が合った。 「あー…母さん。確かこの国には、7つの魔導師育成学園があったよな?」 この国の人なら誰もが知ってる一般常識。それをグレイスは、確認のつもりで母さんに問いかけた。 正直、アタシには縁がないと思っていたから、常識でもあいまいだったりする。 だからアタシは、2人の会話に静かに耳を傾けた。
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