9人が本棚に入れています
本棚に追加
結局あの後は何事もなく、大方の買い物を終わらせ、全て学園の寮に送った。
そして、買い物も残すところあと一つとなった。それは…
「アルバ…魔道具店?」
最後の目的地はメインストリートより少し離れた、個性的な魔道具店だった。
個性的、と言うのも、外観はとにかく黒く看板はボロボロ。
扉の取っ手だけがくすんだ金色になっていて、と、まぁ見たまんま雰囲気が怪しいからだ。
本当にここ、大丈夫かなぁ?
「ねえ、他のとこの方が…」
「ここで問題ない」
いいんじゃない?と言いたかったのに、グレイスはアタシが言いきる前に扉を開けてしまって。
しかも迷いなく入っていったから、アタシは内心うなだれながら中に入った。
中に入れば、外観同様ほとんどが黒く、まだ午前中だというのに薄暗かった。
ざっと見渡して目につくものと言えば、カウンターとその奥の人影だけ。
どうやら、よく言えば至ってシンプルな造りらしい。
「おや、お客さんですか?珍しいですねェ」
と、奥の人影がアタシ達に気づて声をかけてきた。
普通の人とは少し違う、独特な口調と雰囲気。
なんと言うか、店内の雰囲気と同じく、店員さん(仮)もヤバそうな臭いがする。
なのにグレイスは気にせずスタスタと店員さんに近づいて行って。
止めるタイミングを失ったアタシも、仕方なくグレイスについて行った。
最初のコメントを投稿しよう!