322人が本棚に入れています
本棚に追加
空気が悪くなるのが分かった、太一は背後から感じる威圧感に冷や汗を流していた
《愛理》「・・・・・・お前は、両親は」
《太一》「いねぇよ、俺が小さい頃に病気で死んだらしい・・・・・・顔も覚えてねぇしな」
太一は振り返ることなく、歩きながら話した、それを聞いた関羽は、突然立ち止まった
場所は校舎と寮の間に位置する体育館の裏辺りだ
太一は関羽が立ち止まったのに気付き、足を止めた
《太一》「ん?どうした?」
《愛理》「・・・・・・お前は今の関東、いや日本をどう見る?」
《太一》「・・・・・・さぁな、少なくてもあんま良くはないだろ」
太一が言うと、関羽は太一に近付いて言った
《愛理》「今の日本は荒れている、数年前に激戦地と言われていたが、今もどこかで誰かが苦しんでいる」
《太一》「・・・・・・あぁ」
《愛理》「なんとも思わないのか、お前は」
《太一》「・・・・・・なんでそれを俺に言う」
太一の表情が真剣になった、関羽はグッと拳を握り締める
《愛理》「リーダーなら責任があるはずだ」
《太一》「責任って・・・・・・」
太一が目を瞑り、頭に手を当てたその瞬間だった
僅かに感じた風に気付き、太一は素早くしゃがんだ
最初のコメントを投稿しよう!