第一話【君もその一員】

14/15
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/99ページ
「ドッキリの首謀者、雲ノ葉湊参上!!洋八くんあんな登場したから馬鹿かと思ってたけど、意外と鋭いんだね」 猫耳をピョコピョコさせて楽しそうにネタバラしをした。ほとんどバレていたが。 「馬鹿ちゃう、アホや!!」 「…やっぱりただのアホ?」 「湊ぉ…重い…」 湊が立っているのは、静流の背中の上。湊は「重くないわ!」と静流の後頭部を殴って地面に降りた。洋八は気の毒そうにそっと合掌した。静流は「いや死んでねーし!!」と透かさずツッコミを入れ元気に立ち上がった。しかし頭と背中が痛そうである。 「騙しきれなかったけど、驚かせてごめんね?ウチらなりの歓迎だよ!!」 「これから俺らの仲間入りだ!!よろしくな、洋八」 満面の笑みを浮かべる2人に、洋八も飛切りの眩しいスマイルで答えた。 すると、ちょいちょいと学ランの裾を引っ張られた。下を見ると、そこにいるのは勿論あの小さな女の子。 「私は桃菜野千心…。よろしくね?」 上目遣いで遠慮がちに言われ、それにも洋八は笑顔で答えた。少し頬を赤く染めて。 「あー、洋八くん、さっきの美少女と言い千心と言い、貧乳…じゃなくてロリな女の子が好きなの!?」 思いも寄らぬ湊の発言に、洋八は大いにうろたえる。千心まで顔が赤くなってしまった。
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!