第一話【君もその一員】

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「違う違う、洋八は女子に弱いんじゃね?なんかすっげぇ親近感湧くんだ…」 「うわぁ、金田、とうとう自分がヘタレと認めたか…」 「ヘタレじゃねぇー!!」 湊と静流は喧嘩を始め、千心は必死に止めようとしている。そこに眼鏡おさげ文学少女の小愛持が来て、鞄から分厚い辞書を取り出し2人の脳天を殴って喧嘩を止め、「馬鹿には関わらない方がいい」と言って千心を連れて行った。 「あの眼鏡の女は葉田小愛持。んで、俺は北国零」 いつの間にいたのか、洋八の横に相変わらず無愛想な態度で零が立っていた。 「あ…ああ、ありがと!!ほな、これからよろしく…」 「勘違いすんな、俺はお前と仲良くするつもりは微塵もねぇんだよ。もう紹介してやったんだから話し掛けんな。小愛持も俺もうるさい奴は大嫌いだ」 そう言って洋八にキツい視線を送り、洋八に喋る間も与えずその場から消えた。 「瞬間…移動…?」 これには少し、呆気に取られた。 なんて… なんて楽しい仲間達なんや。 雨露滴る水無月。晴天の幕開き。 これからの学園ライフにワクワクせずにはいられなかった。 第一話【完】
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