第二話【てるてるボーイ】

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──── 学校に着いてから家に帰るまで色んなことがあり過ぎた。リビングに入った瞬間ドッと疲れが湧き、テーブルにリュックサックを投げ、自分の身はソファーに投げた。 クッションに顔を埋めて深い溜め息をつく。疲れもあったが、それ以上に楽しかった。 「っと、のんびりしてる場合ちゃうわ…」 のっそりと起き上がりリュックサックから大切な物の1つ…ノートパソコンを取り出した。ちなみにもう1つの大切な物はあの銀色のハリセンである。 パソコンを起動させ、メールの受信フォルダを開く。『父さん』と書かれたフォルダをクリックすると、メッセージが1件届いていた。 「ん……なんや」 一瞬表情が険しくなった。 メッセージを開く。 「えーと…『順調ですか?洋八の様子毎日知りたいから、下記のURLに日記を書いてちょ』…。何考えてん…」 苦笑いを漏らしながらも、素直に添付してあるURLをクリックしてお気に入りに登録した。 今日の出来事を簡単に記録する。 「なんか…不思議なクラスで…週明けからは…修学旅行…あ、そうやん!!修学旅行の準備せな!!」 文章を打っている途中で重大なことに気付き、後は適当に締め括って日記を更新した。 自室へ戻り押入れを開け、通学用の物より大きめの鞄を引きずり出す。 引き出しや洗面所や、あちこちと部屋を往復して今日詰められる物は詰めていく。 「うーん…。着替えのストックはそんなにないからまだ詰めないとして……おう」 そうだ、おやつを買おう。 明日やることが決まったところで、入浴を済ませ、眠りに就いた。 ────
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