第二話【てるてるボーイ】

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──── 罰ゲームで激辛チョコを食べた静流が悶えたり、零が「今のは練習だ」と負け惜しみを言ったりしている間に、洋八達を乗せた新幹線は京都駅に着いた。 生徒達は素早く外へ出、次はバスに乗りホテルへと向かった。 30分程で目的のホテルへ到着した。外装は一般的なものだ。中も普通である。 「それでは、部屋の鍵を渡すので…代表の生徒は取りに来て下さい…。受け取ったら速やかに部屋へ向かうように…」 洋風のホテルでもやはり和服の九条は、無駄にしなやかな手付きで来た生徒へ順番に鍵を配った。 洋八は静流と同じ部屋なので、2人で歩いて向かった。 「いやぁ俺マジで洋八と同じ部屋で良かったよ!零とか煌雅君だとちょっと怖くて…」 小さな声でそう言う静流の背中を、煌雅が物凄くいい笑顔で見ているのを彼は知らない。 「そんなこと言うなや!まぁ、賑やかな静流君と同じ部屋でなんか楽しみやけど」 こんな感じで会話を弾ませながら、あっという間に部屋へ着いた。洋八が九条から受け取った鍵でドアを開けた。
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