第二話【てるてるボーイ】

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──── 生徒達はバイキング形式の夕食を済ませ、それぞれの部屋へ戻って行った。洋八と静流も満足げな顔で部屋へと入る。 「じゃ、俺先にシャワー浴びるから!覗くんじゃねぇぞ!」 「せやなーって誰が覗くか!!覗いて欲しいんやったら能力で女なれ女!!」 アホらしい会話を交わし、静流は鞄から着替えを取り出して脱衣所へ入って行った。 洋八はその間に着替えと明日の準備をする。手際よくそれを済ませると、テレビをつけてバラエティ番組にチャンネルを合わせた。 「おぉ、この地域この番組映るんか…。久し振りやなー…」 「洋八、風呂いいぞー!!」 「あ、うん、分かったー」 携帯電話を開いて今視聴していた番組にチャンネルを合わせ録画を開始し、準備してあった着替えを持って脱衣所へ入る。 同時に寝間着のジャージを着た静流が出て来た。半開きの目で、先に寝る、と言ってベッドへ向かって行った。 30分程で入浴から歯磨きまで終わらせ、洋八もベッドへ寝転がった。隣の静流は既に爆睡している。 「皆朝から夜まであのテンションやもんなぁ…」 夕食の時に皿に料理を盛り過ぎた湊に無理矢理食べ物を口に突っ込まれていた静流を思い出し、1人笑う。 鞄からノートパソコンを取り出してベッドに俯せで寝転がり、電気はスタンドライトのみにする。パソコンの電源を入れ、日記を書く画面を開いた。 「今日は…修学旅行初日。…中学ん時と…何ら変わらない感じだった…。明日から…本番かな…、楽しみです…と」 更新ボタンをクリックし、無事日記が作成されたことを確認するとパソコンの電源を切り、鞄に仕舞って自分も眠る態勢になった。 「明日も晴れますように…」 こうして修学旅行初日の夜は更けていった…。 ────
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