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「…怠い」
【ノーマルAC】と言われる人型ロボットのコックピットの中。
彼はやる気無さそうに呟く。
時刻は夜0時。
彼は今、とある街の外壁の見張りをしている。
彼は【レイヴン】と言われる傭兵で、今回はこの街を色々と支援しているとある企業の依頼を受けてここにいる。
「はぁー…本当に退屈だな…やっぱやめときゃよかった…」
彼がこの依頼を受けた理由は、見張りという何でもない簡単な仕事の割に、支払われる報酬が良かったからだ。
しかし、いざ受けてみると退屈で飽きが来たようだ。
「あー、くそ、暇だなぁオイ…」
そう独り言を呟くと、いきなり無線が入る。
『あー聞こえるか?コチラ反対側を見張ってる【ブレイバー】だ。もしもし?』
【ブレイバー】とは恐らくこの男のノーマルの名称だろう。
彼はマイクに声を当てる。
「うーい、聞こえてるよ。コチラ【ノーネーム】。何か用か?どーぞ」
『OK。そっちの方何か異常あるか?』
「あ?あー…」
取り敢えず頭部カメラに写される映像を確認する。
見渡す限り汚い大地。
緑色のコジマ粒子が月明かりに反射してピカピカと輝いる。
特に異常は無い。
「あー、こっちは異常ねぇよ。そっちは?」彼はブレイバーに問う。
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