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『OK、此方も異常はない。全く、ちょろい仕事だぜ』
男はハッと短く笑う。
『【ノーネーム】。暇ならこのまま世間話でもするか?』
「あん?あー…まぁいいぜ。暇だし」
OK、と男は呟く。
『今日は俺たちの他にレイヴンは何人居るんだ?』
「確か俺等入れて20人ぐらいいたんじゃねぇの?」
『20か…まぁ【ネクスト】でも来ねぇ限りは安泰だな』
「縁起でもねぇ事言うんじゃねぇよ…」
彼は溜め息を一つつく。
【ネクストAC】
それはノーマルを元に開発された次世代人型兵器。
そのスペックはノーマルを遥かに越える。
ネクスト戦争と言われる戦争でその名は一気に広まった。
しかし、ネクストはAMSと言われる脳の信号と機体の動きを直結させる(脊髄に手術でAMSを接続する穴を作り、ぶっ刺す)特殊な機構を持ち、ネクストの同乗者【リンクス】にはAMS適正と呼ばれる後天的に取得が不可能な能力が必要な為、数そのものが少ないのだ。
しかし、やはりそのチカラは驚異的で、つい最近では…
「…あ」
『?どうした?』
【ブレイバー】は彼に問う。
「ブレイバー、あんた【アナトリアの傭兵】って知ってる?」
『…いや寧ろ知らない奴のが珍しいだろ』
「だよな」と彼は呟く。
【アナトリアの傭兵】
元伝説のレイヴンで有り、とある事情でネクストに搭乗し、数々の戦果を上げた英雄。
最近では大企業【レイレナード】を単機で壊滅させた。
所謂、化け物だ。
『しかしスゲェよなぁネクストってよぉ。戦場じゃ正に無敵だよなぁ』
「…あぁ、コジマ粒子を利用した機体ダメージを軽減する【プライマルアーマー】に亜音速の【クイックブースト】…スゲェよ、ネクストは」
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