想定内の事態と、想定外の事態

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 その後、フェニックスリーグのメンバーに自分の名前が無いことを知った小倉は、自分の今後を確信せざるを得なかった。田淵も、フェニックスリーグのメンバーから外されていた。残ったメンバーを見ていると、既に気持ちが切れたのか練習にも参加しない選手もいれば、僅かな望みを餌に、気持ちを繋いで練習に参加する選手もいた。そんな中、最後までプロらしくあろうとする選手もいた。  そして、小倉は今声を掛けられたわけである。小倉は、険しい顔をする球団職員を解す為に、はいと返事をしながら、頬を吊り上げた。だが、上手く顔は動いてくれず、ぎこちない小倉の笑顔を見た球団職員は、更に申し訳なさそうな態度に拍車をかけた。  アップシューズに履き替え、汗をタオルで軽く拭ってから球場内の施設を歩くと、自分の足音に加え、古い蛍光灯の唸るような音が、まるでトンネルの中を歩いているかのように、いつも以上に響くのを感じた。
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