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「それで、今後についてなのですが、小倉選手は現役続行を希望しますか?」
「自由契約か任意引退か、ということですね」
小倉は、先読みしたように口にした。自由契約の場合、他球団と自由に交渉できる。一方任意引退となると、所属球団が文書を請求により、所属連盟会長が申請し、コミッショナーが公示を抹消して自由契約になってからでないと、他球団と契約することはできない。こうして見ると、任意引退を選ぶメリットがあまり無いように思えるが、自由契約を選んで『どこに移籍したいんだ?』と勘ぐられるよりは、コーチや職員として残りたい場合なら、任意引退にしておいたほうが心証が良いというものだ。
「あ、はい。申し訳ないのですが、任意引退を選んでいただけたとしても、球団がポストを用意できる可能性は、あまり高くないそうです」
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