Prologue

4/9
23人が本棚に入れています
本棚に追加
/41ページ
私の読んでいた漫画が「ミ○ミの帝王」だからだろうか。 だけど松永さんは私の大好きな漫画「ゴ○ゴ13」のゴルゴにも似ている気がする。 「槞架、今日は仁兄貴もメシ、いいか?」 「えっ、うん……ビーフシチューだけど」 「ビーフシチュー!!」 松永さんが声を突然あげた。 私はビクッと震える。 「ビーフシチュー……実に素晴らしい。牛肉の柔らかさ、あの味、野菜たち……本当に素晴らしい……。槞架ちゃんは家庭的だな。私はビーフシチューが大好きだ」 なんだかよくわからないが褒められたような気がしたので笑っておいた。 私は松永さんと兄貴を居間に通し、ビーフシチューを盛り付けて運ぶ。 松永さんは終始笑顔でそれを食べていた。 途中兄貴との会話で爆笑し、 「あのマッポは馬鹿だ」 などといっていた気がするが気にしない。 「あ、あいつやられてたのか……」 と、警察24時的な番組で麻薬で捕まった人をみながら呟き、兄貴が「馬鹿なやつですね」といっていたが気にしない。 気にしないことに私は決めた。 ほどなくして松永さんと兄貴はおかわりを繰り返し、私の作ったビーフシチューが無くなったあたりで、 「実に美味かった……また食べに来るよ、槞架ちゃん」 松永さんは帰っていった。 私はそれを見計らってまだビーフシチューに食らいついている兄貴に問い詰める。  
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!