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自転車のかごに無造作に入れられたペットボトルを取り一気に飲んだ。
失われた水分を取り戻すと木陰に吹く風が頬を撫でた。
涼しい……
少しではあったが不快な暑さが和らいだ。
ペットボトルを再びかごに戻すと自転車はそのままに木陰の中を進んだ。
舗装された道路は二つに分かれ片方は山へと続いている。
どうやら登山道の入り口らしい。
いつもならこんな暑い日に山登りなんてしようとは思わない。
だが、何故かこの時は無性にそこへ行ってみたくなった。
まるで何かに誘われる様に。
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