未来の行方

出会い

いや、そうではない。

人に会いたくないからこんな事をしていたのだ。

「っ！！」

よそ見をしながら歩いていた私には突然目の前に人が現れた気分だった。

ちゃんと前を見ていれば気づいた時点で引き返していた。

今は誰とも会いたくなかった。

一人の時間を邪魔された気分だった。

とはいえかなり近くになってから気付いたせいで引き返すには間が悪かった。

幸い向こうは斜面の方を眺めていてこちらには気付いてない。このまま後ろを通り過ぎてしまおうと歩を進めた。