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「つぐる君っ!私…私つぐる君が好きなの…っ!!」
ポニーテールの女の子がつぐるに告白している。
まあまあ可愛いじゃない…。
でもね、つぐるは私の物なのっ!
「若山さん…。気持ちは嬉しいけど俺…俺…っ。」
つぐるは言葉を溜めていた。
腹だたしいなぁ!
そろそろ行くか。
勢いよく走り寄る私。
「つぐるぅ~っ!今日も大好きよぉ~っ!!」
やっと気づいたつぐるは目を丸くしていた。
「紅葉っっ!?」
今日も可愛く決まった赤リボンのツインテール。
よくなびくわ~っ!
ぎゅうっっ!!
「今日はデートの約束でしょ?キスしていい?」
私は横目でポニーテール女を見るとほっぺにキスした。
「紅葉っ…!」
顔を真っ赤に染めたつぐるが口をパクパクしてる。
「ひどい…っっ。」
ポニーテール女は涙で溢れる瞳で私を睨みつけて走って行った。
「つぐるったら、どうしてハッキリ言わないの!?」
私は怒鳴りながらつぐるの胸元を掴んだ。
「そんな事言われても…傷つけるだろ?」目を逸らして言った。
「何言ってんの?曖昧な返事の方が後で傷つけるの!!」
つぐるの顔を覗き込んで言った。
「…もしかして、妬いてるのか?」
胸元を掴んだ私の手を包むようにして、つぐるは私を壁に押し付けた。
つぐるは意味分からない時に急に変わっちゃう。
「何言ってるの?意味分からないしっ!!」顔が赤くなるのが自分でもわかった。
「ふぅん…。妬いてるんだ?」
私の顔を上げさせてつぐるは近くに顔を持ってきた。
「やだやだっ。つぐるやめてよっ!」
叫ぶけどつぐるはニヤニヤ笑うだけ。
「可愛いな紅葉は…。」
つぐるの唇と私の唇が重なった。
チュッ…チュ…。
「…んっ…つぐるっ…。」
「なぁに?」
笑いながらつぐるが聞いた。
「つぐるは私の物だよ…?」
「当たり前だろ。正しく言うと紅葉は俺の物だけどね。」
悪戯っ子みたいに舌を出して笑うつぐるはカッコイイ。
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