狂イザクラ。

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「あんた・・・狂ってるな・・・」 正直な言葉が口から零れた。 「うん、狂ってるよ・・・」 キョウはいつもののんびりした声で答えた。 あっさりと認めたキョウに少なからず広樹は驚いた。 普通なら否定するよな・・・。 「僕、思うんだけどね・・・狂ってない人なんてこの世にいないよ」 「・・・!!」 キョウはのんびりと、淡々と言葉を発する。 いつものけだるそうな顔で・・・ 「狂ってるって言われる人は、狂いが他の人より大きいだけ・・・。僕に言わせれば、普通の顔して過ごしてる奴の方がよっぽど狂ってるし・・・壊れてるね・・・」 キョウの言葉に同調するようにまた強い風が吹いて桜が散った。
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