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その夜以来、俺は毎日のように公園へ通うようになった。
キョウはいつもブランコの柵に腰掛けていた。
特に何をするわけでもなく、何を話すでもない。
2人で隣り合って桜の花を眺めた。
日が経つにつれ、桜は散って行った。
「あ・・・」
キョウは小さく声をあげ、桜の木を指差した。
「最後の花びら」
キョウの指先を辿って見上げると、枝の端には一塊の花。
強い風が吹いたらすべて散ってしまう程頼りなく咲いている。
「なあ・・・」
思わず声が出た。
聞いておかなければ。
「あの花が散っちまったら、お前はここに来なくなるのか??」
「ふふふ・・・ははははは・・・」
キョウは相変わらずの笑い方で肩を震わせた。
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