時の番人

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手元の死神をやけくそ気味に空中に投げ放った。 「だー!もう、なんでわかったんだ!一度こっちに手をのばしたじゃねーか!」 「ロッシ、あなたわかりやすすぎ。そんなんじゃ産まれたての小猿でもわかるよ」 手元に揃ったトランプを山に放りながらライムが言った。 「いや、猿にトランプはわからねーだろ。つーか猿にも見破られたら俺はどうやって己の自信を回復させればいいんだ?」 「猿にも分かる心理術って貴重だと思わない?言い方を変えれば、ロッシは動物と心を通わせるスーパーマンってことになるよ。やったね」 「…素直に喜べないこの気持ちはなんだろう」 「それが正しい“人間として”のあなたの反応ね。心まで猿にならなくてよかったね。おめでとう」 「あれ、今度はちょっと嬉しいぞ」
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