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自分を見下ろす青年の下卑た笑顔を睨み、怪物は牙を剥き出しにした。
「おっと、まだやる気なのかよっと!」
青年が巨大な鋏を取り出して怪物の手の甲に刺す。
怪物の悲鳴とともに黒い血が噴き出し、青年の顔を黒く染めた。
「痛いか?苦しいか?まだ死にたくないか?だったらもっと命ごいをしてみろよ…なぁっ!」
怪物の手の甲に突き刺さったままの鋏を上から押し込む青年。
怪物の悲鳴と黒い血の勢いが更に激しくなった。
「ヒャハハハ!泣き叫べ!もっとてめぇの叫びを俺に聞かせてくれよぉおお!!」
黒い血を全身に浴び、両手を広げて高笑いする青年に、男はなんともいえない不気味さを感じた。
「25…24…ロッシ、いつまでも遊んでちゃ駄目だよ…」
初めて少女の口から数字以外の言葉が飛び出す。
すると注意を受けた青年はおもしろくなさそうに口を尖らせた。
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