ひとつ

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彼は財布の中身を全部出して、 くまなく隅々までみてた。 そして、満足したのか綺麗に出した順番に並べたものをしまっている。 …。 ばれないように、並べた順番すら覚えてる。 手つきは手慣れてて 考えたくはないけれど。 きっと今までもしていたんだな。 そして。 今度はケータイに手を伸ばした。 何を見ているのか、一心不乱に携帯を見ている姿に。 寒気がたった。 私。 この人を愛せない。
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